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耳管開放症のコーンビームCT画像

2週間前から 両耳で自分の声が反響するとして

本日受診された 65歳女性

純音聴力検査は 左右とも35dB程度の感音性(内耳性)難聴

チンパノメトリー(鼓膜の動きの検査)は 異常なし

自分の声が響くという症状から 耳管開放症が疑われました。

耳管は 通常 閉鎖していて

つばを飲み込む嚥下動作や

あくびのように大きく口を開けたときのみ 一時的に開きます。

この耳管が もとに閉鎖せず 開放したままとなるのが

耳管開放症です。

耳管を開く動作に関連する 神経、筋が過緊張ぎみとなった状態

もとに 交感神経緊張亢進があるのでは

と 推定しております。

画像的な診断としては

鼻の奥(上咽頭)の耳管開口部を内視鏡で観察する方法が 一般的です。

この方の耳管開口部は 一番下の写真のように

大きく開いている印象を得ました。

本日は さらに 最近私が新たに興味をもち始めた

コーンビームCT検査で 耳管の状態を観察することを 試みました。

通常に撮影して スライス観察すると

前後 左右 上下の 3方向からの観察なのですが

3D立体画像を再構成(ボリュームレンダリング)するソフトを使うと

画像を 好きな方向に自由に回転できるようになります。

(ボリュームレンダリングは 骨折の診断に重宝します)

中耳と 上咽頭の間を斜めに走行する耳管に沿って

観察するスライスを 本日はじめて作成してみました。

それが 下の写真

一番上が 耳管に沿って前後方向(冠状断)で観察したスライス

二番目が 耳管に沿って横方向(矢状断)で観察したスライスです。

耳管を 青矢印で示しています。



中耳腔から上咽頭まで 耳管のスペースが開いているのが

くっきりと観察できます。

このスライスで耳管を観察してみたのは 初めてですので

これまでに 耳のCT検査をさせていただいた

耳管開放症ではない 患者さまの 耳管を同じスライスで観察して

比較してみたいと思っております。


また 新しく 興味をひかれることを 見つけました。

感謝感謝でございます。
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耳管開放症

興味深く拝見いたしました。やはり耳管開放症のように見えますよね。
当院でもコーンビームCT(アールエフ社製)を最近導入しまして、活用しています。
耳閉感のある方でCTでも所見のあった方は1例あり、撮影前にバルサルバ法をやってもらったら、上手く連続するガス像が撮れました。
耳管開放症も、上半規管裂隙症候群との鑑別が必要といわれていますから、両方見ることの出来るコーンビームCTは有効と思っています。


コメントありがとうございます

グログへコメントたいへんありがとうございます。
アールエフ社の画像がモリタ社CTとどれくらい性能的に違うのか?とても興味がありました。先生の出されたコンテンツを拝見し、それなりに使えるなという印象を得ました。私はモリタ社のソフトをまだまだ使いこなせておりません。臨床診断と教育に大変有効と思われるコーンビームCTがより広く普及し、先生のように積極的に活用される方が増えることが耳鼻科の進歩と患者さんへの福音につながると思っております。
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