連休に入る 先週 土曜日
高血圧の治療薬を処方されているものの 自己判断で中止
一方
血液をさらさらにするワーファリンをしっかり服用中の患者さまが
鼻出血がひどいとして ご来院されました。
右鼻腔粘膜の複数箇所から にじむような出血を認めました。(図の写真上)
キーセルバッハとよばれる 鼻中隔前部からの出血であれば
電気焼灼で ぴたりと止血することができるのですが、、、、、、。
血圧測定すると 160/90以上、、、
通常 このような患者さまでは
鼻腔内にガーゼをしっかりパッキングして
安静のため 入院していただくことをおすすめしてまいりました。
この患者さまにも 入院が望ましいだろうと ご説明する一方
ダメもとで ソーブサン(止血綿)を 出血部位の粘膜の上にかるく置いてみました。
30分ほど 診察室内のいすで休んでいただいたあと
鼻内を観察すると 下の写真のように しっかり止血していました。

連休中に 再度出血する可能性が高いだろうと 推定し
ソーブサンを新しいものに入れ替え
連休中 出血したときは 中央病院を受診するようにお願いいたしました。
本日 再診され なんと出血がまったくなかったとのことでした。
鼻内も ほぼ問題なしでした。
ソーブサンを使い始めて 約一年。
最初は その止血能力を信頼できず
止血剤(ボスミン)に浸して 鼻腔に入れておりました。
2ヶ月ほど前から 何も浸さず ソーブサン単独で フワッと出血部位に当てることをトライ
綿状のソーブサンが 血液を吸収してゼリー状になると 止血効果を示すようです。
軽く当てるだけなので 術後 つらい鼻つまりが ほとんどなく
術後の治癒過程も早い印象です。

術中 比較的多量に出血した 若い男性でも
術後出血覚悟で ソーブサンのみでカバーすることをトライ
それでも 術後 ほとんど出血なし でした。
ボスミンを浸すと 血液吸収をおこなえないので 本来の効果をだせないと思われます。

今回 ワーファリンを服用中の高血圧患者さまでも
あらためてソーブサンの素晴らしい止血力を確認することができました。
これまで 鼻出血の場合
パッキング(圧迫)をしっかりすることが重要とされていました。
パッキングをうけた 患者さまは 鼻が詰まって
口だけの呼吸となり とても つらい 思いをしておられました。
ソーブサンをフワッと入れることで 十分止血できるとすれば
患者さまは とても楽に過ごせることでしょう。
本日も 新しい経験をさせていただきました。
誠に 感謝感謝でございます。
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